朝野家スタッフのblog

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/// おそばのくきはなぜあかい 2010.10.27放送分 /// 

/// おそばのくきはなぜあかい 2010.10.27放送分 /// _f0112434_16483877.jpg新そばが出回る季節。味や香りのこだわりは、皆さんそれぞれあるようですが、秋の実りに感謝する気持ちは、きっと同じでしょう。
 
そばの茎は赤い色をしています。その昔、「どうして赤いのだろう?」と不思議に思った人がいたようで、さまざまな民話の題材となって日本各地に伝わっています。

『おそばのくきはなぜあかい』という、岩波書店の絵本もその一つ。昔話をもとに、児童文学者の石井桃子(いしい・ももこ)さんが文章を書いて、昭和29年に初版本が発行されました。
 
物語の舞台は、人間がまだ草や木と話ができたころ。
ある冬の寒い日、大きな川のほとりで、そばとむぎが話をしていると、杖をついたおじいさんがやって来て、自分をおぶって川を渡ってほしいと頼みます。むぎはすぐに断りましたが、そばは困っているおじいさんを見て「やってみましょう」と引き受けます。

冷たい水の中、何度も転びそうになりながら、凍える足でがんばりぬいたそば。なんとか無事に向こう岸へ着いたのですが、その足はまっ赤になっていました。だから、そばのくきは、今でも赤いのです。
 
この話には続きがあり、実は、おじいさんは穀物の神様で、親切なそばを、夏の太陽のもとですくすく育つ穀物にしてくれました。そして、不親切なむぎは、冬の寒さをがまんしなければならない穀物にしたのだそうです。 元気に育ったそばを見たら、思い出してみませんか。

*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
by asanoyayu | 2010-10-28 01:46 | 朝野家・香りの散歩道