先日、雑貨屋さんで、野菜や動物のカタチをした、かわいいキッチン用の「ヘチマたわし」を見つけました。
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)肌にやさしく、環境にもやさしいエコグッズとして、ヘチマたわしは今、見直されています。
その昔、日本の家の軒先で緑をたたえていたヘチマは、夏の日除けがわりになっていました。青い実は、九州や沖縄など南の地方では料理に使われ、成熟した実からとれるスポンジのような繊維は、カラダや食器を洗うたわしとして大活躍。
乾いているときは硬いけれど、水やお湯を吸うと驚くほどやわらかくなる、不思議で便利な自然素材です。最近はまた、ヘチマを家で育てて、たわしを手づくりする人も増えているそうです。
江戸時代には、ヘチマの繊維で作った草履も大流行したとか。汗を吸って通気性も良く、汚れたら何度でも洗えて、すぐに乾くヘチマ草履。履き心地を想像しただけでも、気持ち良さそうですね。
また、日本茶の産地として有名な静岡県では、茶畑のすみにヘチマを植えて、たわしを作る習慣があったそうです。このヘチマたわしが活躍するのは、茶摘みのシーズン。お茶の葉をもむ機械にこびり付く、茶しぶを落とすのに使われました。
機械にお湯を入れてヘチマたわしを丸ごとほうりこむと、繊維に汚れがからめ取られるそうです。先人の知恵は、素晴らしいですね。
皆さんも、ヘチマのある暮らしを復活させませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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