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/// 天涯の花」  /// 朝野家・香りの散歩道 2012.8.8 放送分

f0112434_17383477.jpg夏の山に咲く、色とりどりの花。

(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)

私たちの目を楽しませてくれる、こうした高山植物の中には、絶滅危惧種に指定されているものもたくさんあります。

宮尾登美子(みやお・とみこ)さんの小説『天涯(てんがい)の花』に登場する、キレンゲショウマもその一つです。

標高1955メートル。四国の霊峰・剣山(つるぎさん)を舞台にしたこの小説は、厳しくも美しい自然の中で、純粋な魂を持ち続けながら成長していく少女の物語です。養護施設で育った珠子(たまこ)は、昭和36年、中学を卒業して剣山の中腹にある神社の養女になります。

人里離れた山の暮らしに戸惑いながらも、幼い頃から植物が大好きだった珠子の心を癒したのは、剣山に咲く可憐な花々。なかでも、「私はこの花に会うため、お山さんに来たのではないか」と心を打たれたのが、キレンゲショウマでした。

木もれ陽を浴びながら、見渡すかぎりに咲く黄色い花。その色は月の光のように輝き、どんな花よりも清らかに誇り高く咲いていると、珠子には思えたのです。

四国や紀伊半島の山林などに咲く幻の花、キレンゲショウマは、平成8年に発表されたこの小説で広く知られるようになりました。以来、天涯の花をひと目見ようと、剣山を訪れる人が増えたそうです。

山野草を愛する人には言うまでもありませんが、山に咲く花は決して持ち帰ってはいけません。それぞれの場所で美しく咲き続けられるよう、見守っていきたいですね。

『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。

また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
by asanoyayu | 2012-08-08 00:03 | 朝野家・香りの散歩道