(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
今日10月16日は、国連が制定した「世界食料デー」です。
「すべての人に食料を」という最も大切な基本的人権を守るために、世界に広がる飢餓や栄養不良などの食料問題について、みんなで考えようという日です。
世界では毎年、食料のおよそ3分の1が、食べる前にムダになったり、捨てられているそうです。それほど十分な食料が生産されているはずなのに、すべての人が食べられるわけではないのは、どうしてでしょう?
先進国に集中している。食料はあっても、高くて買うことができない・・・その理由を自分なりに考えてみるだけでも、他人事ではなくなるのではないでしょうか。
日本でもその昔、たび重なる飢饉によって多くの人が亡くなりました。
江戸時代には、飢饉対策として大根の栽培が奨励され、保存できる干し大根が全国で作られるようになったとか。
千切りにして干す「切り干し大根」をはじめ、縦に太く割って干す「割り干し大根」、輪切りにして干す「花切(はなぎり)大根」など、さまざまな干し方が今も全国各地に伝わっています。
天日で干すことによって、生の大根よりもうま味が増し、栄養価も高くなるそうで、干し大根は先人の知恵が生んだ優秀な保存食だったのですね。
大地の恵みへの感謝と、おいしさを長持ちさせる知恵が詰まった干し大根。その歴史を噛みしめながら、皆さんも味わってみませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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