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/// プルースト効果 /// 2014.5.21放送分

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(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)

五月の風に運ばれてくる新緑の匂いを嗅ぐと、子どもの頃、初めて山歩きをしたときのことを思い出す・・・という友人がいました。

「もう歩けない」と駄々をこねながら、なんとか水場までたどり着いたこと。そこに座り込んで飲んだ、湧き水の冷たさや味まで覚えているそうです。

ふとした香りによって、なつかしい記憶が鮮明によみがえる。
皆さんにも、そんな経験はありませんか?

こうした心理現象は「プルースト効果」と呼ばれています。
プルーストとは、フランスの文豪マルセル・プルーストのことです。彼の代表作である『失われた時を求めて』という小説の中に、プチット・マドレーヌというお菓子の話が登場します。

紅茶にひたして、やわらかくなったひとかけのマドレーヌ。そのかけらごと、ひとさじの紅茶を口にした瞬間、なつかしい香りと味にという言葉が生まれたのです。

『失われた時を求めて』は記憶をめぐる物語です。
そこに描かれた、マドレーヌの香りと味によってよみがえった町の記憶は、小説の主人公を幸福な気持ちにさせました。その主人公は、作者のプルースト自身ではないかといわれています。

私たちが「プルースト効果」を経験するときも、できればとびきり幸福な思い出がよみがえってくれるといいですね。

『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。

また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
by asanoyayu | 2014-05-21 06:10 | 朝野家・香りの散歩道