3月フロントカウンターの花は『黄金ヒバ』に替わりました。
黄金ヒバは葉先が黄金色になることから名付けられ、濃い緑に支えられた明るい深い色合いが特徴です。木物の中でもボリュームがあり、いかにすっきり見せるかがポイントとなります。
今回は使用本数7本で段切りされてます。
左下の枝「用(よう)」を強調した「用流し」です。
花材は黄金ひば、花型は格花、流派は静心未生流
『天涯の花 小説・未生庵一甫』(澤田ふじ子著)の中に、こんな下りがあります。
未生斎一甫が諸国 行脚あんぎゃ の途,疲労が重なり,瀕死の状態で湯村温泉の湯治宿「とみ屋」に運びこまれます。そこで手厚い看病を受け次第に快復にむかいます。元気をとりもどした一甫は野山で採取しきてた花々を宿の部屋にいけ湯治客の目を楽しませるのです。未生斎一甫の生涯を支える庄屋の上田九左衛門と出合うのもこの「とみ屋」と設定されています。
未生流は、未生齋一甫(通称山村山碩)よって創流されました。
湯村温泉のとみ屋がなければ、今の未生流は存在しなかったかもしれません。湯村には今も昔も人と人とは支えあって生きている・・・。
夢千代の心は住民の中に。