源泉の荒湯は、98度の高温を有する温泉で、1分間に470リットル自然湧出をしています。最近、地中深く掘ったり、ポンプで強制的に組み上げるのでなく、1200年前からコンコンと湧き出ているのです。
旧火山の白山火山帯の麓なので、そんな高温泉が出ることすら珍しいのですが、照来(てらぎ)断層と湯村断層の割れ目に沿って、温泉が吹いて出ているのです。地中の中ではかなりの圧力が掛っているため、水の沸点はかなり高くなり、地表に出てきた時に空気の1気圧で沸点100度に下がる。湯村温泉は高温になる原理でしょう。
地中では重力で加圧されているため、まるで圧力なべのように、温泉水へのミネラル分がより浸透しやすくなります。しかも時間をかけて出てきますから、ポンプアップのように地中深くから急激にあげるのと違い、岩石に触れる時間が長く、ミネラル分は多くなります。
これこそが本物の温泉といえるのです。
普段、当たり前に荒湯でゆで玉子を湯がいて「美味し~いぃ!」と感じるのですが、ゆで玉子にも、温泉の成分は浸透していきます。卵の殻は大理石と同じ炭酸カルシウムが主成分で、卵の殻には小さな気孔があります。そこから温泉の成分が入り込むのでしょう。
普通にゆでたものと荒湯でゆでたものの違いを実験をしてました。同じパックの卵なのですが、一目瞭然で違います。
左が荒湯たまご、右が鍋で湯がいたもので、並べて見るとこんなに違うと、私も思いませんでした。黄身の色が全然違いますし、白身のぷるぷる度も違います。
鍋で湯がいた玉子
同じ玉子でも、鍋で卵をゆでると、白身はもちろん、黄身も固くパサパサニなります。これは卵をゆでるとタンパク質の凝固で、縮み水分が抜けてくるんです。
荒湯で湯がいた玉子
一方湯村温泉の温泉成分はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉ですので、ツルツル、ピカピカ、もっちりの肌になります。玉子も同じようになるんですよ。白身だって見た目で弾力感と透明感があります。
しかも湯村の温泉で湯がくと黄身が何日たっても腐りにくく、黒ずまないんです。これも還元性の温泉だからなんでしょうね。温泉力-源泉・荒湯でつくったゆで玉子は温泉成分でプルプルの荒湯玉子になります。