(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
9月になると、ヨーロッパの人々は、文化の薫りを楽しむ特別な2日間を指折り数えて待っているそうです。それは、毎年9月の第3土曜日と日曜日、普段は立ち入ることのできない歴史的建造物が公開される「文化遺産の日」です。
1984年にフランスではじまった「文化遺産の日」は、今ではヨーロッパ各国で開催されるようになりました。
パリだけでもおよそ1,700カ所が特別公開され、なかには長蛇の列ができる人気スポットもあります。現在は大統領官邸として使われているエリゼ宮や、上院議会として使われているリュクサンブール宮殿など、フランスの貴族文化を象徴するような建物です。
なかでもエリゼ宮は、厳重な警備体制が敷かれている場所で、パリっ子たちも、いつもは外から眺めているだけ。その扉が開かれるのですから、並んでも観たいという気持ちはわかりますね。
エリゼ宮は1718年貴族の邸宅として建てられ、ルイ15世に愛されたポンパドゥール夫人や、ナポレオンの妻ジョセフィーヌが住んでいたこともある華麗な宮殿です。1873年からは大統領官邸となり、晩餐会が行われる祝宴の間や大統領が執務をする黄金の間なども、「文化遺産の日」には一般公開されています。
さて、今年はどんな文化の薫りが、人々を楽しませてくれるのでしょうか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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