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/// 言葉の魔術師 ///朝野家・香りの散歩道2016.11.02放送分

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(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)

今日、11月2日は「白秋忌」。明治から昭和にかけて活躍した詩人、北原白秋(きたはら・はくしゅう)が、この世に別れを告げた日です。

白秋は、きらびやかな言葉を使いこなして、膨大な数の詩や童謡を生み出したことから、「言葉の魔術師」といわれています。そんな白秋が、私たちに残してくれた作品の中から、『言葉』という詩の一節を紹介しましょう。

言葉は光る。

プリズムの影よ。

花火や、蛍、とんぼの眼玉(めだま)、ひィとつひィとつ光る。

言葉はかおる。

紅薔薇(べにばら)、野茨(のばら)、山椒(さんしょ)の木(こ)の芽、牝山羊(めやぎ)のお乳(ちち)、

ひィとつひィとつかおる。

「言葉の魔術師」北原白秋の手にかかると、身のまわりにあるものの名前、ひとつひとつが光を放ったり、香り立つように聞こえませんか。

それは、あなたの想像力が豊かであればこそ。白秋が光る言葉、香る言葉として選んだ一語一語を耳にしても、頭の中にイメージが広がらなければ、光ることも香ることもないでしょう。

言葉は、本当に不思議な生き物ですね。

*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:5517:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。

また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。



by asanoyayu | 2016-11-02 23:17 | 朝野家・香りの散歩道