朝野家スタッフのblog

ブログトップ | ログイン

/// 咄嗟の懐紙 ///2017.1.11放送分

f0112434_0155181.jpg
(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)

一月は、心新たに、さまざまな「事始め」にのぞむ方が多いことでしょう。

茶の湯の「初釜」は、お茶の香りで新春を寿ぐ晴れやかなひとときですが、一年の精進を心に誓う稽古始めでもありますね。おめでたい席にふさわしい装いや振る舞いを心がけるだけでなく、新年早々忘れ物がないようにしたいもの。先人たちが、茶会に持って行くものを詠み込んだ、こんな和歌を覚えておいてはいかがでしょう。

茶にゆかば 
小菊(こぎく)に帛紗(ふくさ)扇子(せんす)足袋(たび)
茶巾(ちゃきん)手拭(てぬぐい)香(こう)と小袋(こぶくろ)

この歌の最初に詠まれている「小菊」というのは、お菓子を取り分けたり、茶碗を拭くときなどに使う「懐紙」のことです。もともとは「小菊紙(こぎくし)」と呼ばれていたそうで、これを懐(ふところ)に入れて持ち歩いていたことから、いつしか「懐中の小菊紙」が「懐紙」という呼び名になったとか。

茶会では、何かと出番が多いので、いつもの稽古より多めに準備しておくこともお忘れなく。

懐紙は、普段の生活でも使い途がいろいろあります。食事の席ではもちろん、ポチ袋がないときは懐紙にお金を包んで渡したり、きれいな柄の入った懐紙は一筆箋がわりにも使えます。

「茶にゆかば・・・」だけでなく、今年は大人の嗜みとして、懐紙を持ち歩いてみてはいかがでしょうか。

『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。

また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
by asanoyayu | 2017-01-11 08:14 | 朝野家・香りの散歩道