(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
今日は「正月事始め」の日です。
煤払いなどを行い、新しい年を迎えるための準備をはじめる日として、江戸時代には庶民の間にも広まりました。
煤払いは、今でいう大掃除のことですが、年神様を迎えるために家の中を清めるという意味合いが強かったとか。隅々まで掃除をして穢れのないようにしておけば、年神様がご利益をたくさん持って来てくださる・・・そんな言い伝えもあったそうで、江戸時代の煤払いは、私たちが想像するよりも、はるかに大事な行事だったようです。
煮炊きをするのに薪や炭を使っていた時代のことですから、天井や壁などは1年間の煤でかなり汚れていたことでしょう。
大きな商家などでは、「ここはひとつ気合いを入れてキレイにしよう」と、煤払いのリーダー役も決めていたそうです。そうして煤払いが無事に終わると、労をねぎらって食事やお酒がふるまわれ、そのまま宴会になることもあったとか。なんだか楽しそうな行事だったのですね。
住まいや仕事場をキレイにすると、晴れ晴れした気分になるのは、昔も今も同じこと。現代の大掃除にもそんなお楽しみが待っていたら、重い腰をあげて「さぁ、みんなでキレイにしよう」と張り切って掃除ができそうです。
この時間から大掃除に取りかかるのは無理ですが、「正月事始め」の今日は、どこか1カ所だけでもキレイにして、年神様を迎える準備をはじめませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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