(墨絵:朝野家社長/朝野 泰昌)
今日はバレンタインデーですね。この言葉を聞いただけで、チョコレートの甘い香りが漂ってくるような気がしませんか。そもそも日本人は、どのようにしてチョコレートと出会ったのでしょうか。
チョコレートはもともと、飲み物だったことは、みなさんもご存じでしょう。日本に初めて伝来したのは江戸時代といわれていますが、そのときもまだ飲み物でした。
今日(こんにち)のような食べるチョコレートが登場したのは、1847年。イギリス人のジョセフ・フライが、常温で固まり、口に入れると体温で溶けるという、チョコレートの原型をつくりあげたそうです。
味も、香りも、食感も、今のチョコレートとはほど遠いものだったようですが、当時としては画期的な発明だったとか。
それから26年後の1873年、明治6年のこと。日本の新政府が欧米に派遣していた使節団が、パリの郊外にあるチョコレート工場を訪れました。
使節団のメンバーは、岩倉具視や伊藤博文、大久保利通など、そうそうたる明治維新の立役者たち。工場を見学したときの記録によると、初めて口にしたチョコレートは苦かったようですが、「人の血液に滋養を与え、精神を補う」という効能も記されているそうです。
まるで新しい薬を発見したようだったチョコレーとの出会い。当時の使節団が今のチョコレートを食べたら、そのおいしさに驚くかもしれませんね。
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