緑がいきいきと輝く初夏の森。国土の3分の2が森林で覆われている日本には、森を仕事場にしているプロフェッショナルがたくさんいることをご存じでしょうか。
林業の技術者をはじめ、自然保護官、樹木医、森林インストラクター、そして、特用林産物(とくようりんさんぶつ)の仕事に携わる炭焼き職人やきのこ生産者など、その職種は実に多彩です。
特用林産物というのは、耳慣れない言葉かもしれませんが、実は、私たちの身のまわりにはたくさんあります。たとえば、きのこや木炭、竹、山菜、薬用植物など。木材のほかに山林で生産されているものは、すべて特用林産物と呼ばれています。
こうした森の産物の魅力を、一般の人々にもっと知ってもらおうと、日本特用林産振興会では「きのこアドバイザー」と「山菜アドバイザー」を養成しています。きのこ狩りや山菜採りは、森のレクリエーションとしても人気がありますが、食べられるものと毒のあるものを取り違えるケースも多発しているとか。
そんな事故を未然に防ぐための見分け方や、健康食品としての利用法など、きのこや山菜に関する正しい知識を伝えるのがアドバイザーの役割です。そして、限りある森の恵みを次の世代に残すための活動にも、力を入れているそうです。
森を守り、森とともに生きているプロフェショナルたち。子どもたちにとっても、憧れの職業になるといいですね。
*『香りの散歩道』は
朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)