モネやセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなど……。印象派・ポスト印象派と呼ばれる画家たちの作品が、パリのオルセー美術館から数多く来日しています。
オルセー美術館は今、大規模な改修工事中で、その間、貴重なコレクションが貸し出されることになったのです。
「これだけの絵画が、フランスを離れることは二度とないだろう」といわれている名画の数々は、東京・六本木の新国立美術館で開催中の『オルセー美術館展2010』で観ることができます。
ところで、「印象派」という呼び名はどのようにして生まれたか、ご存じですか?
19世紀後半のフランス。画家が世に認められるには、サロン展に入選することが条件でした。けれど、伝統を重んじるサロン展で、新しい表現が評価されるのは至難の技。
そこで、若き日のモネやルノワールたちは、仲間で資金を出し合いグループ展を開きます。ところが、結果は大失敗。ある批評家は、モネが出品した『印象、日の出』という絵を見て「まさしく単なる印象しか描いていない、未完成の絵だ」と批判しました。
その時、皮肉を込めて使った「印象派」という言葉が、彼らが巻き起こした絵画革命の呼び名として広まっていったのです。波乱の船出となったグループ展は、12年間で8回開催され、のちに印象派の名画と賞讃される作品が、ここから数多く生まれました。
100年を経てもなお、画家たちの情熱が匂い立つような名画に、皆さんも会いに行きませんか。
*『香りの散歩道』は
朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)