(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
明日4月18日は「お香の日」。
奈良時代に成立したといわれる日本の歴史書、『日本書紀』の記述をもとに制定された記念日です。
『日本書紀』には、お香の原料になる木、香木について書かれた一節があります。
香木が、海を渡って日本にはじめてたどり着いたのは、西暦595年の4月。場所は淡路島でした。
ひと抱えもあるほどの流木が淡路島の海岸に漂着し、島の人が薪といっしょにかまどで燃やしたところ、なんともいえぬ良い香りがあたり一面に広がったそうです。それが香木だとは知るよしもない島の人たちは、不思議な木だと驚いて、朝廷に献上したと『日本書紀』には記されています。
のちに、聖徳太子がその香木で、観音像を作ったという言い伝えもあるとか。それほどまでに、貴重なものだったのですね。
時は流れて今、淡路島は日本で生産されるお線香のおよそ7割を占める、お香の産地です。香木をご神体として祀っている神社もあり、島をあげてお香の歴史と技を守り伝えてきました。『日本書紀』に記された、香木伝来の地としての誇りが、そうさせているのかもしれませんね。
その淡路島に、香木がはじめて漂着したのが595年の4月。そして、お香の香という漢字を分解すると、一十八日(いち・じゅう・はち・にち)と読めることから、4月18日が「お香の日」になったそうです。
明日は皆さんもお香をたいて、日本の香りの歴史に思いをはせてみませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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