(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
松江と広島県の尾道を結ぶ、中国横断自動車道が全線開通して1カ月。山陰と山陽の距離が、グンと近くなった気がしますね。
映画やドラマの舞台としてもおなじみの尾道は、海を見下ろす坂のまちです。
その一角に「ガウディハウス」と呼ばれている、再生途中の古い家があるのをご存じでしょうか。スペインの建築家ガウディが設計したサグラダ・ファミリアのように、いつ完成するかわからないというユニークな建物です。
わずか10坪の傾斜地に、へばりつくように建つこの家は、昭和の初め、一人の大工が3年の歳月をかけて建てたといわれています。当時流行していた洋風建築の技法を散りばめ、いくつもの屋根が複雑に重なり合うその外観から、いつしか「ガウディハウス」と呼ばれるようになりました。
25年以上も空き家となっていたこの建物を、尾道のNPO「空き家再生ブロジェクト」のメンバーが、坂のまち尾道の地域遺産として、よみがえらせようとしています。
この「ガウディハウス」の他にも再生物件はいくつかあり、商店街の空き家を再生したゲストハウスは、昨年の秋「あなごのねどこ」という名前でオープンしました。
うなぎの寝床のように奥行きのある町家の再生物件で、瀬戸内海の名物「あなご」にちなんで、気軽に宿泊できる「あなごのねどこ」と名づけたそうです。
どこか懐かしい暮らしのにおいを残しながら、再生する尾道のまちを、皆さんも歩いてみませんか。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
また朝野家ホームページ
「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。