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/// 干し椎茸のグアニル酸 ///朝野家・香りの散歩道2015.10.7放送分 

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(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)

秋は、きのこ料理の出番が多くなりますね。

「香り松茸、味しめじ」と言われますが、香りも味も良いきのこで、日本で最も食べられているのは、椎茸ではないでしょうか。そして、生の椎茸を天日干しで乾燥させた干し椎茸は、うま味も香りも増して、さらにおいしくなります。

ぷっくり肉厚の「冬菇(どんこ)」は、生椎茸の傘が開き切る前に収穫して乾燥させたもの。傘が開いてから乾燥させた「香信(こうしん)」など、干し椎茸にも種類はいろいろありますが、どれもうま味成分はたっぷりです。

戻し汁にはそれが溶け出しているので、あますことなく使い切りたいですね。

干し椎茸に含まれるうま味成分のグアニル酸は、昆布のグルタミン酸や、かつお節のイノシン酸と共に、日本料理の三大うま味成分といわれています。これらを組み合わせて使うと、相乗効果でさらにうま味が増すことはご存じでしょう。

植物性の食材だけでつくる精進料理では、干し椎茸の戻し汁に昆布を加えただしがよく使われます。鎌倉時代には、日本の干し椎茸を中国の寺の料理人が買い付けにやって来た、という記録も残されているそうで、それほど質の良い干し椎茸がつくられていたのですね。

日本料理のうま味の歴史を築いた干し椎茸を、今夜の食卓にいかがですか。

『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。

また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。
by asanoyayu | 2015-10-07 07:40 | 朝野家・香りの散歩道