(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)
「花より団子」ではありませんが、お寺の桜を観て精進料理をいただくというお花見プランが、各地で人気を集めているようですね。
野菜や豆、海藻など、植物性の食材だけで作られる精進料理は、若い女性や欧米からの観光客にも、「おいしくてカラダに良さそう」と好評だとか。近頃は、精進料理を教わりたいと、料理教室の門をたたく人も増えているそうです。
精進料理には、「五味五色五法(ごみごしきごほう)」でもてなすという基本があります。「五法」とは、生のまま切る、煮る、焼く、揚げる、蒸す、という五つの調理方法のこと。
五つの味(あじ)「五味」は、甘味、塩味、酸味、辛味、苦味のことで、五つの色(いろ)「五色」は、白、黒、赤、黄、緑といった料理の色をあらわしています。食材の色だけでなく、お膳の色合いや清潔さなども、色という言葉には込められているとか。
この「五味五色五法」をふまえていれば、栄養面も含めてバランスの良い献立になりそうですね。これは、私たちが日頃いただく日本料理の基礎でもあります。
そして、何より大切なのが、食材を無駄なくていねいに扱い、食べる相手を思いやって味付けをすること。細かいレシピを覚えるよりも、日ごとに変わる食材の味や食べる相手の体調などに合わせて、味付けを工夫できるようになれば一人前ということでしょうか。
こうした精進料理の心得は、家庭料理にも生かせるといいですね。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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