(墨絵:朝野家社長/朝野 泰昌)
お茶を飲んでほっとする時間は、漂う香りにもささやかな幸せを感じませんか。
いつも私たちの身近にあるお茶ですが、近頃はお茶の実からとれる油、ティーオイルも注目されているようですね。
ティーオイルは、お茶の木になる、お茶の実を搾って作られます。ツバキ科の植物なので、オイルの製造方法は椿油をイメージしてもらうといいかもしれません。
原料となるお茶の実は、白い椿のような花が咲いたあとに収穫しますが、日本の茶畑では、お茶の花を見かけることはほとんどないでしょう。
なぜなら、日本茶を作る葉っぱのほうに栄養が十分いきわたるよう、花の部分は早くに摘み取ってしまうから。ティーオイルづくりは、お茶の実がとれるお茶の木を栽培するところから始まるそうです。
手間ひまかけて作られる貴重なティーオイルは、料理に使われることが多く、ナッツのような香ばしい香りがします。数ある植物性の食用油の中でも特に、口あたりは爽やか。
オリーブの実を搾って作るエクストラバージンオリーブオイルのように、熱をあまり加えず、料理の仕上げに使うとフレッシュな風味が引き立ちます。
お茶の木は、生け垣や庭木としても人気のある植物ですから、もしもお宅にお茶の木があって、白い花を咲かせたら・・・手づくりのティーオイルが味わえるかもしれませんね。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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