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/// 雨は心にふりそそいで ///2018.06.27放送分

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(墨絵:朝野家社長 朝野泰昌)

「香を焚くのは、どんな場合にもいいものですが、とりわけ梅雨の雨のなかに香を聞くほど心の落ちつくものはありません」。これは、明治生まれの詩人で随筆家の薄田泣菫(すすきだ・きゅうきん)の言葉です。

島崎藤村(しまざき・とうそん)の後を継ぐ浪漫派詩人として、一時代を築いた薄田泣菫は、晩年パーキンソン病を患い、口述筆記で随筆を発表していました。先ほど紹介した、雨の日に香を焚く話も、その中の一節です。

泣菫は、病気がちな自分にとって、降り続く梅雨の雨はいくらか憂鬱であると言いながらも、外の世界のうるささからのがれて、静かな心持ちをゆっくり味わうことができる喜びを、雨の日には感じていたようです。

そして、泣菫が好んだ香りは、白檀(びゃくだん)の香りでした。

青葉に雨の鳴る音を聞きながら、じっと目を閉じて、部屋いっぱいに漂う白檀の香りを聞いていると、魂は肉体を離れて見知らぬ場所をさまよい、雨は心にふりそそいで、潤いと柔らかさが自然に染み透って来る・・・。

そんな思いを語った薄田泣菫のように、雨も、香りも、心の中の深いところで楽しむことができたら、梅雨が好きになるかもしれませんね。雨の日は、部屋に自分の好きな香りを漂わせて、「何もしない」という贅沢な時間を過ごしてみませんか。たとえ短い時間でも、あなたの心に潤いをもたらしてくれることでしょう。

*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供
で、毎週水曜日FM山陰(16:5517:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。

また朝野家ホームページ「朝野家・香りの散歩道」のバナーからもお聞きいただけます。



by asanoyayu | 2018-06-27 07:06 | 朝野家・香りの散歩道