(墨絵:朝野家社長/朝野 泰昌)
夏の盛りに咲いた朝顔の花も、日ごとに秋へと近づいていくようですね。そんな光景を詠んだ俳句があります。
「朝顔の 一日一日に あき近し」
作者は、明治時代の俳人、正岡子規(まさおか・しき)です。
俳句といえば・・・明日、8月19日は「俳句の日」です。夏休みの子どもたちに、俳句に親しんでもらおうと、8(はち)1(いち)9(く)の語呂合わせで生まれた記念日だそうです。
「俳句の日」の制定に力を尽くしたひとり、俳人の坪内稔典(つぼうち・ねんてん)さんは、正岡子規の研究者としても知られています。
正岡子規は、俳句を広めた人物と言われています。「俳句は、もっと古くからあったのでは?」と思われた方。江戸時代、松尾芭蕉(まつお・ばしょう)などが行っていたのは、「俳諧(はいかい)」と呼ばれ、当時、俳句という言葉はありませんでした。
明治時代に花開いた、俳句という世界一短い詩のカタチは、今、子どもたちの想像力をかきたてています。平成のはじめに「俳句の日」を制定した、坪内稔典さんの句も小学校の教科書に掲載されました。
「三月の 甘納豆の うふふふふ」
春の訪れを喜び、ほおばった甘納豆の香りが、口いっぱいに広がって笑顔になったのでしょうか。それとも、甘納豆がコロコロと畳の上を転がって、思わず笑ってしまったのでしょうか。俳句はこんなにも自由で、楽しいものなのですね。
*『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞・大阪日日新聞に掲載されます。
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